廿木村(読み)はたきむら

日本歴史地名大系 「廿木村」の解説

廿木村
はたきむら

[現在地名]岩国市大字廿木

玖珂本郷くがほんごう(現玖珂郡玖珂町)との境をなす廿木山の北東麓、大平たいへい山・三蔵みくら山など三〇〇メートル余の山に囲まれ、保木ほうき川がつくる小沖積地に位置する。

寛永二〇年(一六四三)河内こうち郷を分割してできた村で、慶安四年(一六五一)の「御領分村一紙」に村名がみえる。村名の由来は村内の権現社(現熊野社)縁起に関係があり、「玖珂郡志」には「紀州熊野ノ権現ヨリ聖一人、当所ノ田中ト申所ヘ神体ヲ負来、だんの びらト申山ノ木廿本有之、此処ヘ注連しめヲ引、神体ヲ安置シ奉、寛永十七年、段平ヨリ王地おおち山ヘ勧請ス」とある。小名には金坂かねさか野口のぐち峠・中の垰なかのたおなどがある。

「御領分村一紙」には村高四九九石余、うち田高四三〇石余、畠高三八石余、楮高三〇石余とあるが、その後徐徐に増加し、享保一一年(一七二六)には村高五三一石余、家数一〇五軒、人口四六六人、牛五二頭、馬一三頭となっており(享保増補村記)、農業のほか林業・紙業もあって経済状態は良好であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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