普及版 字通 「彖」の読み・字形・画数・意味
彖
9画
[字訓] はしる
[説文解字]
[字形] 象形
獣の形。〔説文〕九下に「豕(ぶた)走るなり」、〔玉〕に「豕走りぶなり」とするが、おそらく獣が走する形であろう。遯逃の遯をに作る例が〔漢書、匈奴伝賛〕などにみえる。〔易、彖伝〕の彖は、別の一義である。
[訓義]
1. はしる、獣がはしる、はしりのがれる。
2. 断に通じ、さだめる、易の一卦の義を定める辞。
[部首]
〔説文〕に彖を部首とし、「讀みて弛(し)の(ごと)くす」とあり、式視の切(し)。(たん)を「豕走るなり」として通貫の切(たん)とする。〔玉〕に彑(けい)部に彖を属し「他亂の切(たん)、才なり、豕走りぶなり」とあり、すべて解を異にしている。彖は彖声の字によって、その声義を考えるべきである。
[声系]
〔説文〕に彖声として・(原の初文)・篆・椽・掾・(縁)など十字を収める。(げん)は原隰の地において、狩猟をするときの儀礼を示す字で、彖に従う字ではない。彖声の字には、おおむね周辺をめぐる意がある。
[語系]
彖thun、斷(断)duanは声義近く、易の〔彖辞〕は斷の義をとるものであろう。
[熟語]
彖辞▶・彖伝▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報