彦坐命(読み)ひこいますのみこと

改訂新版 世界大百科事典 「彦坐命」の意味・わかりやすい解説

彦坐命 (ひこいますのみこと)

開化天皇皇子とされる人物。《日本書紀》開化6年正月条に,和珥臣(わにのおみ)の遠祖の姥津(ははつ)命の妹の姥津媛を妃とし,命を生んだとみえる。垂仁5年10月条には,垂仁天皇の妃に推された日葉酢媛(ひばすひめ)命らの父丹波道主(たにわのちぬし)王は彦坐命の子とある。《古事記》には日子坐王と記し,開化天皇が丸邇臣の祖日子国意祁都(ひこくにおけつ)命の妹意祁都比売命に娶(みあ)い,王を生んだとあり,王が近淡海の御上祝(みかみのはふり)がまつる天の御影神の女息長水依比売(おきながのみずよりひめ)に娶い,丹波日子多々須美知能宇斯(ひこたたすみちのうし)王らを生んだとするなど,王の詳細な系譜を記している。崇神巻には,天皇により丹波国に遣わされ,玖賀耳之御笠(くがみみのみかさ)を誅したとある。日下部宿禰(くさかべのすくね)はじめ多くの後裔氏族の存在が《新撰姓氏録》その他に伝えられている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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