得も言わず(読み)えもいわず

精選版 日本国語大辞典 「得も言わず」の意味・読み・例文・類語

えも【得も】 言(い)わず

  1. なんとも言いようがない。言うに言われない。えもいえず。
  2. なんとも言えないほど、程度がはなはだしい意にいう。えもいわれず。
    1. [初出の実例]「池の氷もえもいはずすごきに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)朝顔)
  3. なんとも言えずよい。言いようもなくすばらしい。積極的、肯定的な意を含めていう。えもいわれず。
    1. [初出の実例]「とねり三十人、えもいはずさうぞかせて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)祭の使)
  4. 言うに足りない。口に出しては言えない。消極的、否定的な意を含めていう。
    1. [初出の実例]「そこら充ちたる僧俗上下〈略〉えもいはぬものまで涙を流して」(出典:栄花物語(1028‐92頃)楚王の夢)

得も言わずの補助注記

多く連用修飾、連体修飾に用いられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android