…これに対し富士山は平地に生じた火山で,内部に小御岳(こみたけ),古富士という二つの古い火山をかかえているとはいえ,4000m近い山体がすべて火山で構成されており,基底部の直径が約40kmにも達している山は世界でも珍しい。山頂部は御鉢と呼ばれ,最高峰の剣ヶ峰のほか白山,久須志岳(薬師岳),大日岳,伊豆岳,成就岳,駒ヶ岳,三島岳の富士八峰が火口のまわりを囲んでいる。中世まで火口から白煙が立ちのぼっていたことが知られるが,現在の火山活動は一部に蒸気孔を残すのみである。…
…これらの楯状火山の山体上および周辺地域では,おもに更新世末以降現在に至るまでの期間に,多くの場所で噴火活動が起こり,安山岩質の比較的小規模な火山体や火口が多数形成された。韓国岳,大浪池(1411m),新燃(しんもえ)岳(1421m),中岳(1332m),御鉢(おはち)(約1400m),高千穂峰(1574m)などの霧島火山中央の山頂部を構成する山体,並びに飯盛山(846m),甑(こしき)岳(1301m),夷守(ひなもり)岳(1344m),大幡山(1353m)などの山体,さらに六観音御池(ろくかんのんみいけ),白紫(びやくし)池,不動池,大幡池,御池(みいけ)などの火口はこの時期に形成された。これらの火口や火山体は,生成時期が新しいため,いずれも山体の開析はあまり進んでいない。…
※「御鉢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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