飯櫃(読み)メシビツ

精選版 日本国語大辞典 「飯櫃」の意味・読み・例文・類語

めし‐びつ【飯櫃】

  1. 〘 名詞 〙 飯を入れる木製の器。丸または楕円形で蓋がある。めしつぎ。めしばち。
    1. [初出の実例]「茶やの膾のかれてさびしき 食櫃や見れば網代の下すだれ」(出典:俳諧・桃青門弟独吟廿歌仙(1680)楊水之独吟)
    2. 「今雪国の肌を探り、飯櫃(メシビツ)の底(そこ)をはたき」(出典:洒・道中粋語録(1779‐80頃)序)

いい‐びついひ‥【飯櫃】

  1. 〘 名詞 〙 飯を入れる木製の容器。めしびつ。めしばち。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「くろかねのいいひつに、かほほいれて、くわゑんとなって、もゆる物あり」(出典:御伽草子・富士の人穴草子(室町時代小説集所収)(室町末))

めし‐つぎ【飯櫃】

  1. 〘 名詞 〙 めしわんにつぐ飯を入れておく器。飯鉢。めしびつ。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「飯櫃」の意味・わかりやすい解説

飯櫃
めしびつ

炊き上げた飯を移し,食膳に供する容器。たがをかけた桶 (モミジサクラ,ケヤキ,ヒノキ材など) に,同種のかぶせぶたがついたもの。漆塗りのものもある。かつては飯は必ず飯櫃に移し,ふきんをかけて 10分間ぐらいしてから食べるのが,美味とされた。さらに保温のためには飯櫃をわらでつくったフゴに入れた。最近は保温機能付き電気炊飯器の普及で飯櫃の需要は大幅に減少した。

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