心係数(読み)しんけいすう(その他表記)cardiac index

改訂新版 世界大百科事典 「心係数」の意味・わかりやすい解説

心係数 (しんけいすう)
cardiac index

体表面積1m2当りの心臓の毎分血流拍出量をいう。心臓は循環系のポンプとしてたえ間なく律動的に血液を拍出しつづける。1回の拍動当りの拍出量は1回拍出量stroke volumeであり,これと心拍数の積が毎分当りの拍出量,心拍出量cardiac outputである。身体の大きさや形の差から生ずる個人差を除くために,心拍出量を体表面積で除したものが心係数である。心拍出量は安静時の成人で約5l/minであり,活動状態では30l/minにも増大する。体表面積は,体表面積m2=0.097×(身長cm+体重kg)-0.545の式から求められる。成人の安静時の心係数の正常値は2.8~4.2l/min・m2である。心拍出量は体循環の血流量,肺循環の血流量と,わずかな短絡血流量を除けば一致するので,心係数は全身の活動状態などを反映している。心係数に男女差はない。小児期に大きく,10歳から70歳にかけて徐々に30~40%減少する。また運動や発熱,低酸素状態,動静脈短絡などの病態生理学的変化で増加する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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