心拍変動検査

内科学 第10版「心拍変動検査」の解説

心拍変動検査(自律神経系の機能検査法)

(2)心拍変動検査
 心拍・呼吸や血圧を持続的に測定しながら検査を行う.
a.心電図R-R間隔変動係数(CVR-R
 一定であるようにみえる心拍も正常者では呼吸に伴ったゆらぎが認められるのが正常である(呼吸性洞性不整脈).安静臥床時のこのゆらぎの低下は副交感神経機能の低下を表すことが知られている.心拍を心電図R-R間隔で表し,その変動係数を正常値と比較し加齢による低下(20歳代平均:5.67,60歳代平均:2.68)を考慮しても低値であれば副交感神経機能低下を示す.独自の検査法といってよいが,わが国では汎用されている.
 CVR-R=100%×(R-R間隔標準偏差)/(R-R間隔平均値)
b.深呼吸に伴う心拍変動
 欧米ではCVR-Rより一般的に使用されている.呼吸性洞性不整脈が深呼吸により増強することを応用した検査法で副交感神経機能の低下をみる.1分あたり5~6回の深呼吸時(至適努力肺活量(FVC)1.5 L)の心拍変動は20歳代で15~20拍/分,60歳代で5~8拍/分で,迷走神経副交感神経機能障害により低下する(図15-4-24).[平田幸一]
■文献
Longo D, Fauci A, et al eds: Harrison’s Principles of Internal Medicine, 18th ed, McGraw-Hill, New York, 2011.
Low PA, Benarroch EE, eds: Clinical Autonomic Disorders. 3rd ed, Lippincott Williams and Wilkins, Philadelphia, 2008.
日本自律神経学会編:自律神経機能検査法,第4版,文光堂,東京,2007.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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