普及版 字通 「悃」の読み・字形・画数・意味
悃
10画
[字訓] まこと・まごころ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は困(こん)。困に閉塞してうちに包みこむ意がある。〔説文〕十下に「悃(こんひよく)なり」(段注本、字をに作る)、〔玉〕に「志、純一なるなり」とあり、素朴にして誠意を尽くすことをいう。悃は漢代によく用いられた語で、悃款・悃というのと同じ。懇・款と声義の近い字である。
[訓義]
1. まこと、まごころ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕悃 ココロサシ・イタム・マコト・モハラ・イタル 〔字鏡〕悃 ネムコロ・イタム・ワヅラハシ
[語系]
悃khun、懇khn、款khuan、惓giuanはみな声義近く、款誠の意のある語。〔段注〕に悃をに作り、(きん)声の誤りとするが、必ずしもkhyun声とするを要しない字である。
[熟語]
悃款▶・悃願▶・悃曲▶・悃愚▶・悃懇▶・悃質▶・悃忱▶・悃誠▶・悃接▶・悃惻▶・悃衷▶・悃▶・悃望▶
[下接語]
愚悃・誠悃
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報