普及版 字通 「悒」の読み・字形・画数・意味
悒
10画
[字訓] うれえる・むせぶ
[説文解字]
[字形] 形声
声符は邑(ゆう)。〔説文〕十下に「安んぜざるなり」とあり、〔玉〕に「憂ふるなり」という。〔楚辞、離騒〕に「(とん)と鬱悒(うついふ)して余(われ)佗(たてい)(失望)す」とあり、心の鬱結して楽しまないことを悒悒という。
[訓義]
1. うれえる、心たのしまぬ。
2. むすぼれる、むせぶ。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕悒 伊太弥奈介久(いたみなげく)〔名義抄〕悒 ナゲク・イキドホル・ツツム 〔字鏡集〕悒 イタク・イブカシ・ツツム・イキドホル・ナゲク・ウレフ
[語系]
悒・・ipは同声。しめりがちな状態をいい、鬱・iut、tなども声義近く、心のむすぼれるさまをいう。もと形況の語であろう。
[熟語]
悒紆▶・悒鬱▶・悒於▶・悒怏▶・悒懊▶・悒結▶・悒如▶・悒戚▶・悒然▶・悒悵▶・悒納▶・悒憤▶・悒悒▶
[下接語]
鬱悒・悁悒・於悒・怏悒・愁悒・忿悒・労悒
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報