…一方,白秋門の萩原朔太郎は《月に吠える》(1917)や《青猫》(1923)によって近代人の孤独な自我の内景を表現し,〈“傷める生命”そのもののやるせない絶叫〉とみずからいう世界を言語化した。彼の親友室生犀星は《抒情小曲集》《愛の詩集》(ともに1918)を出して,同じく大きな影響を与えた。 大正中期には大正デモクラシーを反映したいわゆる民衆詩派の白鳥省吾,百田宗治,福田正夫,富田砕花らが,農民や労働者の生活を詩にとりあげた。…
※「愛の詩集」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」