普及版 字通 「慴」の読み・字形・画数・意味


14画

[字音] ショウ(セフ
[字訓] おそれる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(習)(しゆう)。は祝の器(曰(えつ))の上を羽で(す)る呪儀で、その呪能を刺激する意。〔説文〕十下に「懼(おそ)るるなり」とあり、その呪能の作用することをいうものであろう。過度にわたることを(もてあそ)ぶといい、字はまたに従う。〔詩、周頌、時〕「震疊(しんでふ)せざる(な)し」の〔伝〕に「疊は懼なり」とあり、ともにはげしくくりかえす意があって、声義の通ずる字である。

[訓義]
1. おそれる、おそれさせる、おびやかす、おどす。
2. 懾・・畳と通じる。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 (せふ)の字なり。乎乃々久(をののく)、、於曾留(おそる)〔名義抄〕 ヲソル・ヲノノク・シタガフ・サカリナリ・ハカル 〔字鏡集〕慴 ヲビヤカス・サカリナリ・ヲソル・ヲトス・ヒカリ・カタラク・カシカマシ・ハカル・ツツシブ・シタガフ

[語系]
慴tjip、懾・tjiapは声義が近い。〔説文〕に懾(しよう)を「气を失ふなり」、また(しよう)三上を「气を失ひて言ふなり」とあり、いずれも甚だしく畏懼することをいう。疊(畳)・dyapもまた、声義の通ずる字である。

[熟語]
慴愕慴悸慴怯慴悚慴惴・慴然慴息慴憚慴怖・慴伏慴服慴慄
[下接語]
懾慴・震慴・戦慴・怖慴・悒慴

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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