掃気ポンプ(読み)そうきポンプ(その他表記)scavenging pump

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「掃気ポンプ」の意味・わかりやすい解説

掃気ポンプ
そうきポンプ
scavenging pump

2サイクル機関の掃気空気用のポンプ。2サイクル機関では,膨張行程の末期の下死点付近で排気孔が開いて排気が始り,シリンダ内圧力が下がる頃に掃気孔が開き,あらかじめ圧縮してある新気をシリンダ内に流入させて,シリンダ内の排気を掃除排出するとともにシリンダ内に新気を充填する。この作用はクランク角で 120~150°というきわめて短時間に行わなければならず,また給気の一部が排気とともに素通りすることは避けられず,掃気の良否が性能を左右する。掃気ポンプとしては,一般に小型高速2サイクル機関の大半はクランク室圧縮方式を採用している。中・大型機関では,往復動型,ルーツ型,ベーン型,遠心送風機型などが用いられ,最近では,排気ガスを利用した排気ガスタービンにより,遠心送風機やターボブロワを高速で回転し,掃気圧力を増し,シリンダ内への充填圧力を増している。

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