ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「教会コンチェルト」の意味・わかりやすい解説
教会コンチェルト
きょうかいコンチェルト
concerto da chièsa
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…イタリア・オペラの作曲家は世俗カンタータも作曲したが,なかでもA.スカルラッティによって,イタリアの世俗カンタータは全盛期を迎えた。いっぽう教会カンタータはむしろ,従来の教会合唱曲に器楽伴奏と伴奏つき独唱や重唱を織りこんだ教会コンチェルトに発するといってよく,以後とくにドイツ・プロテスタント教会音楽として発展した。教会コンチェルトとしてはシュッツの《クライネ・ガイストリッヒェ・コンツェルテ》が有名。…
…これには,舞曲の組形式を基本とする〈室内ソナタ〉と,よりポリフォニックな色彩が強く重厚な気分をもつ〈教会ソナタ〉の二つの系列があった(コレリ)。バロック的な音楽表現の申し子ともいうべきコンチェルトは,声と楽器をダイナミックにかけあわせる教会コンチェルト(ビアダーナLodovico da Viadana(1564‐1627),G.ガブリエリ)の形式を母体とし,次いでソロ楽器群とオーケストラとをダイナミックに対比させる合奏協奏曲(コレリ)の形態を経て,18世紀初頭には急・緩・急の3楽章からなる近代的な独奏協奏曲の形式を確立した(ビバルディ)。他方,コンチェルトと並んでバロックの管弦楽曲の柱となる管弦楽組曲(組曲)は,フランスの宮廷オペラやバレエの器楽的な抜粋(リュリ)という形から出発したが,やがてバロック後期には,独自の音楽形式として作曲されるようになった(テレマン,J.S.バッハ)。…
※「教会コンチェルト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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