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形式 けいしきforma; form

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

形式
けいしき
forma; form

哲学上,内容あるいは質料に対する重要概念。質料に対する場合は特に形相と訳され,ギリシア語の eidosに由来する。アリストテレスおよびそれを受継ぐスコラ学によれば,質料 (ギリシア語で hylē,ラテン語で materia) はみずから規定をもたず,ただ規定を受ける原理であるのに対して,形相 (ラテン語で forma) はこれに内的本質規定を与える原理である。この意味で,本質 essentiaや性質 qualitasとほとんど同義に用いられる。しかしカントなどの近世哲学では,Formは形式と訳され,内的本質だけではなく,内容とは関係のない,あるいは内容と対立する事物の外面的統一態をも意味するようになった。

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デジタル大辞泉の解説

けい‐しき【形式】

物事が存在するときに表に現れている形。外形。⇔実質
物事を行うときの一定のやり方。事務上の手続き、儀礼的な交際などについていう。「形式にのっとる」「形式を踏む」
形だけで実質の伴わないこと。おざなり。「形式だけのあいさつ」「形式にとらわれる」
芸術作品で主題・思想を表すために、作品を構成する諸要素を配置・配合する一定の手法。
哲学で、事物や事象の成立・発現のしかたやその構造、またそれらの関係などを抽象したもの。⇔内容
[補説]自動車・航空機などについては「型式」と書き、「かたしき」と読む慣習がある。
[用法]形式・様式――「文書の形式(様式)を統一する」などでは相通じて用いられる。◇「形式」は定まったやり方の意で、「形式にのっとって行う」などと用いる。また、形だけで内容を伴わないことを「形式に流れる」「形式的なあいさつ」などともいう。◇「様式」は同類のものに共通する、他の類とは違った流儀や型の意で、いくつかの「形式」を抽象化して得られた一般的な特徴をいう。「生活様式」「行動様式」「ゴシック様式の建築」などと用いる。

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大辞林 第三版の解説

けいしき【形式】

事物が存在しているときの、外に現れているかたち。外形。外見。 「書簡の-をとった小説」
物事を行うときの、則るべき一定の手続きや方法・様式。また、その一群の物を特徴づける、共通して備えているかたち。 「届出用紙の-を変える」 「この-の商品は製造を中止した」
実質・内容を失ってからなお続いているうわべだけの方法・様式など。また、体裁を整えただけのもの。 「 -だけの質疑応答に終わる」
〘哲〙 種々の要素を統一的な連関・構造にもたらすもの。事象が成立する本質的な枠組み。 ↔ 内容 〔類義の語に「様式」があるが、「様式」は同じような事物に共通するかたちや方法の意を表す。それに対して「形式」は外に現れているかたち、また、準拠すべきかたちや方法の意を表す〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

形式
けいしき
form英語
Formドイツ語
formeフランス語

論理学用語。論理学では、理論を記号を用いて表現したとき、記号の意味を捨象し、記号配列関係のみに注目して、理論の論理的構造をとらえたとき、その構造を、その理論の「形式」という。この意味での形式の考察に作業を限定する禁欲的な分野を証明論というが、証明論が意外に豊富な成果をもたらすことを見抜いていたのは、数学者ヒルベルトであった。そこで、彼の立場を「形式主義」ということがある。[吉田夏彦]

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図書館情報学用語辞典の解説

形式

図書,マイクロ資料のような資料の物理的形式,あるいは辞書,論文集のような主題の取り扱い方にかかわる提示形式をいう.図書館分類法では主題に基づいて分類することを原則とするが,同じ主題の中をさらに形式によって区分し,利用の便に供することがある.分類表では,通常,物理的形式は採用されず提示形式が採用される.図書,マイクロ資料,ビデオ録画資料のように物理的形態の異なるものは,通常それぞれごとに別置されるので,資料排架の手段として分類記号がそれを表現する必要はないからである.一般分類表では,共通細目の一つとして補助表で扱われることが多い.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典について 情報

世界大百科事典内の形式の言及

【西洋哲学】より

…そして,これらの概念が制作物の存在構造をモデルにしてはじめて生じえたものであり,自然的事物には適用しにくいものであることは,すでに述べたとおりである。この対概念がその後〈形式formaと質料materia〉〈形式Formと内容Inhalt〉と呼び替えられて,形而上学的思考様式の基本的カテゴリーとして働いたことは,カントが《純粋理性批判》の〈反省概念の多義性〉の章で指摘しているとおりである。中世の普遍論争において特に論議の対象となった〈普遍‐個物〉ないし〈一般‐特殊〉という対概念も以上のような経緯と深くからみ合いながら形成されたものと考えてよい。…

※「形式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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