斎つ爪櫛(読み)ユツツマグシ

デジタル大辞泉 「斎つ爪櫛」の意味・読み・例文・類語

ゆつ‐つまぐし【斎つ爪×櫛】

神聖で清浄な櫛。一説に歯の多い櫛の意。ゆつのつまぐし。
「左の御みづらに刺せる―の」〈・上〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「斎つ爪櫛」の意味・読み・例文・類語

ゆつ【斎つ】 爪櫛(つまぐし)

  1. ( 後世は「ゆづつまぐし」とも ) いみ清められた櫛。清浄な櫛。神聖な美しい櫛。一説に、歯の多い櫛ともいう。ゆつのつまぐし。
    1. [初出の実例]「其の右の御美豆良(みみづら)に刺せる湯津津間櫛(ユツツマぐし)を引き闕きて投げ棄(う)てたまへば」(出典古事記(712)上)

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世界大百科事典(旧版)内の斎つ爪櫛の言及

【タケ(竹)】より

…投げた櫛がたけのこになったというのだから,櫛は竹製だったのであろう。そして,〈斎(ゆ)つ爪櫛(つまぐし)〉というのだから,これはたんなる装飾具ではなくて鬼神や邪霊を避け退けるための呪具(じゆぐ)だったのであろう。しかし,そんなに霊験を発揮する呪具だとすると,この竹製品が簡単に古代人のだれしもの手に入ったとは考えられない。…

※「斎つ爪櫛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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