日本歴史地名大系 「新編江戸安見図」の解説
新編江戸安見図
しんぺんえどあんけんず
木版無彩 明和元年 初版江戸東京博物館、他は港区立みなと図書館ほか蔵
解説 三五折、総図と地域分割一二図(最終増補で一七図)。各図印刷面で一八・三×二九・〇―五九・八センチ、畳み寸法二一・五×九・八センチ。増補後は安見御江戸絵図・新板江戸安見絵図。経折本も切絵図の一種とみられるが、携行と披見の便宜から従来盛行の江戸大絵図を一種のみ残して壊滅させた。一方で各図別葉の切絵図で先行する吉文字屋版をも排除して、初版刊行から再版は五年後だが、その後は七四年間以上にわたる超ロングセラーとなった。先立つ地誌二種の地域分割挿入図に示唆され、街道図の経折型式に倣って、過去の図帳江戸方角安見図(鑑)の特徴を小型化復活させたと考えられる。収載紙面活用に切絵図的歪みを明らかに採用した。伝存部数が少ないのは使用損耗が激しかったためか。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報