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切絵図 きりえず

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

切絵図
きりえず

切図ともいう。江戸時代から明治にかけてつくられた区分地図。一定紙幅で一定地域の地図を表現すると簡略にすぎ,一面に細部まで表現すると紙幅が大きくなりすぎるので分割して詳細を示した。江戸市街図刊本にこの例が早くからみられるが,土地利用を示す切絵図が,村役人によって作成された例が少くない。耕地切絵図の最も正確なものは,明治初年に作成され,町村役場に保存された土地台帳付属のもので,今日なお利用されている。

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デジタル大辞泉の解説

きり‐えず〔‐ヱヅ〕【切(り)絵図】

全図の一部分を示した絵図面。
地域別または地目田畑山林など)別に区切って作った地図。

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百科事典マイペディアの解説

切絵図【きりえず】

江戸〜明治に製作された区分地図。実測図ではなく,大判図を等面積に切ったものでもなく,形状に応じた図取りで方位も一定しない。江戸切絵図は近江(おうみ)屋板(近吾堂近江屋吾平。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

切絵図
きりえず

江戸時代につくられた絵図の一種で、特定の地域を部分的にくぎってあるもの。村絵図の一つとして村役人によって作成され、耕地の位置や形状、秣場(まぐさば)や用水施設の位置・境界を示すのに使用された。面積についてはかならずしも正確ではない。また、江戸のような大都会では、全体を1枚の絵図にした場合、取扱いに不便であったり、詳細な内容を盛り込めないため、より便利な切絵図が発達した。広義の切絵図としては、1670年(寛文10)以降発売された『江戸大絵図』がある。これは江戸全体を5分割したものだが、縮尺は5間を図の1分としたもので、小図ではない。1769年(明和6)出版の『新編江戸安見(やすみ)図鑑』は市中を17図に分割したが、形態上は図帖(ずちょう)になっている。小図の切絵図としては、1755年(宝暦5)に出版が始まった吉文字屋(きちもんじや)版が代表的なもの。以後幕末期に至り、近吾堂(きんごどう)版、尾張屋(おわりや)版、平野屋版などが刊行され、全盛期を迎えた。これらは、市中の武家屋敷のほか各種施設が記入され、それぞれに特色があり、利用者の便宜が計られている。[吉原健一郎]

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