時過ぐ(読み)サダスグ

デジタル大辞泉 「時過ぐ」の意味・読み・例文・類語

さだ‐す・ぐ【時過ぐ】

[動ガ上二]
時機を失する。
「沖つ波辺波の来寄る左太の浦のこの―・ぎて後恋ひむかも」〈・二七三二〉
盛りの年齢を過ぎる。
「いと―・ぎ、ふるぶるしき人の」〈・八三〉

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精選版 日本国語大辞典 「時過ぐ」の意味・読み・例文・類語

さだ‐す・ぐ【時過】

  1. 〘 自動詞 ガ上二段活用 〙
  2. それに適した、またはつごうのよい時が過ぎる。時機を失する。
    1. [初出の実例]「沖つ波辺波の来寄る左太の浦のこの左太過(サダすぎ)て後恋ひむかも」(出典万葉集(8C後)一一・二七三二)
    2. 「出でにける門の外をし知らぬ身は問ふべき程もさだすぎにけり」(出典:和泉式部集(11C中)上)
  3. 盛りの年齢をすぎる。年老いる。また、年寄りじみる。
    1. [初出の実例]「いとさだすぎ、ふるぶるしき人の、髪などもわがにはあらねばにや、所々わななきちりぼひて」(出典:枕草子(10C終)八三)

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