本町育浮名花聟(読み)ほんちょうそだち うきなのはなむこ

歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「本町育浮名花聟」の解説

本町育浮名花聟
ほんちょうそだち うきなのはなむこ

歌舞伎浄瑠璃外題
作者
堀越二三治 ほか
初演
安永6.5(江戸中村座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の本町育浮名花聟の言及

【俠客物】より

…また上方では黒船忠右衛門,梅の由兵衛など,歌舞伎・人形浄瑠璃に数々の俠客物が生まれたが,一方江戸でも,79年(安永8)7月肥前座所演の人形浄瑠璃《驪山(めぐろ)比翼塚》(源平藤橘ら作)以降の幡随院長兵衛の劇化,また1713年(正徳3)4月山村座《花館愛護桜(はなやかたあいごのさくら)》以降の十八番系の助六劇が盛行し,江戸っ子精神を代表する任俠としてもてはやされた。本朝丸綱五郎や朝比奈藤兵衛など実在しない俠客も創作され,77年5月中村座《本町育浮名花聟(ほんちようそだちうきなのはなむこ)》,1760年(宝暦10)7月竹本座《極彩色娘扇(ごくさいしきむすめおうぎ)》などの情話中の任俠として描かれている。また河竹黙阿弥の作中にも男達の活躍する作は多く,《茲江戸小腕達引(ここがえどこうでのたてひき)》(1863年8月市村座),《曾我綉俠御所染(そがもようたてしのごしよぞめ)》(1864年2月市村座),《鶴千歳曾我門松(つるのちとせそがのかどまつ)》(野晒悟助,1865年1月市村座),《金看板俠客本店(きんかんばんたてしのほんだな)》(金看板甚九郎,1883年4月新富座)などがある。…

【小糸佐七物】より

…この唄を核として宮古路豊後の浄瑠璃正本《二世の組帯》が享保末か元文ころ(1730‐40)に成立し,姉娘をおふさ,妹娘を小糸,おふさの婿で小糸と深い仲となる相手を左七としている。この情話を最初に歌舞伎化したのが《皐需曾我橘(さつきまつそがのたちばな)》(壕越二三治作,1754年1月江戸市村座)で,曾我の世界にからめて脚色,ついで人形浄瑠璃に《糸桜本町育》(紀上太郎作,1777年3月江戸外記座)と《江戸自慢恋商人》(友三郎・鬼眼作,1777年3月江戸肥前座)が上演され,歌舞伎では前者を脚色した《本町育浮名花聟》が中村座で1777年5月に演じられた。書替物としては,《心謎解色糸(こころのなぞとけたいろいと)》(4世鶴屋南北作,1810),《江戸育御祭佐七》(3世河竹新七作,1898)などがある。…

※「本町育浮名花聟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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