桑市郷(読み)くわいちごう

日本歴史地名大系 「桑市郷」の解説

桑市郷
くわいちごう

和名抄」所載の郷。同書東急本に「久波伊知」の訓がある。円山まるやま川の上流部、現朝来町の北部一帯に比定される。郷域には但馬第二の規模の前方後円墳船宮ふなのみや古墳白鳳時代と推定される立脇たてわき廃寺がある。天平勝宝二年(七五〇)正月八日の但馬国司解(東南院文書)によると、但馬国より正税を用いて奴婢五人を買収進上せよとの勅命により、桑市郷の戸主赤染部大野が所有する一九歳の婢田吉女を稲一千束で買上げ、朝集使として上京する賀茂直秋麻呂が護送して奈良東大寺に施入している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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