朝日日本歴史人物事典 「桜島国重」の解説
桜島国重
鎌倉前期の建築工匠。その事績は建保1(1213)年法勝寺九重塔再建に携わったことが知られるだけであるが,治承4(1180)年の兵火後の東大寺再建で中心的な立場にあった桜島国宗と同姓でしかも名も通字のあること,かつて大治5(1130)年に九重塔の心柱切り継ぎ工事にも東大寺大工が携わり,同塔の建保再建時にも東大寺大勧進栄西が関与していることなどから国重も東大寺系の工匠と考えられる。大仏様の技法を身につけ,法勝寺九重塔という大建築にその技法を応用したに違いない。<参考文献>大河直躬『番匠』
(山岸常人)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報