楠公(読み)ナンコウ

デジタル大辞泉 「楠公」の意味・読み・例文・類語

なん‐こう【楠公】

楠木正成くすのきまさしげ敬称

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精選版 日本国語大辞典 「楠公」の意味・読み・例文・類語

なん‐こう【楠公】

  1. 楠木正成(くすのきまさしげ)の敬称。大楠公。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「楠公」の意味・わかりやすい解説

楠公
なんこう

長唄(ながうた)の曲名榎本虎彦(えのもととらひこ)作詞、3世杵屋(きねや)六左衛門作曲。1902年(明治35)3月初演。楠木正成(くすのきまさしげ)(楠公)が摂津湊川(みなとがわ)で足利尊氏(あしかがたかうじ)と戦って敗れ、自刃した戦いを題材とする。上下二段。上の巻は桜井駅の正行(まさつら)との別れ、下の巻は湊川の合戦である。曲調も上下で趣(おもむき)が異なり、上の巻では唄が中心となり、産字(うみじ)(母音を独立させて延ばして歌う歌唱法)を効果的に用いて哀調を帯びた節回しを聞かせる。下の巻は冒頭から三重(さんじゅう)とよばれる緊張した雰囲気をつくりだす三味線旋律を取り入れた大薩摩(おおざつま)で始まり、全体を通して、三味線の技巧を駆使した演奏が中心となり、下座(げざ)の合方(あいかた)を種々取り入れ、合戦の情景描写をくふうしている。全体に劇的な音楽構成をとり、聞きごたえのあるものになっている。

[茂手木潔子]

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