此の・是の(読み)これの

精選版 日本国語大辞典 「此の・是の」の意味・読み・例文・類語

これ‐の【此の・是の】

[1] 〘連語
① (物事を指示していう。「この」よりもいくらか指示性が強い) ここにある。ここにいる。この。
※仏足石歌(753頃)「己礼乃(コレノ)世は移り去るともとことばにさ残り坐(いま)せ後の世のため 又の世のため」
② ここの。ここに従属している。
※雲形本狂言・縄綯(室町末‐近世初)「向後は是(コレ)の者ぢゃ程にさうこころえ」
[2] 〘代名〙 (「これの人」の下略) 他称。親しみをこめて、自分の配偶者をさしていう語。こちの人。
① 自分の夫をさして呼ぶ語。
※虎寛本狂言・鈍太郎(室町末‐近世初)「なう腹立や。腹立や。是のはござらぬか。棒を持て出て、あの狼ぜきものを打たほいて被下い」
② 自分の妻をさして呼ぶ語。
※虎明本狂言・花子(室町末‐近世初)「やまのかみをよび出し、隙をこふてみばやと存る。これのはうちにおりやるか」

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