死返(読み)しにかえる

精選版 日本国語大辞典 「死返」の意味・読み・例文・類語

しに‐かえ・る ‥かへる【死返】

〘自ラ四〙
① 死ぬことを繰り返す。しにくる。
万葉(8C後)四・六〇三「思ひにし死にするものにあらませば千たびそ吾れは死変(しにかへら)まし」
② (「かえる」は上の語の動作を受けて、その程度のはなはだしい意)
(イ) 疲れ弱ってまさに死にそうになる。死ぬほど苦しむ。
蜻蛉(974頃)中「打出の浜に、しにかへりていたりたれば」
(ロ) 連用形を副詞的に用いて、死ぬほど強くの意を表わす。
※宇津保(970‐999頃)楼上下「しにかへり思そめにし世中のあかぬことこそあはれなりけれ」

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