検地によって地積、石高(こくだか)を増加させること。出目(でめ)、竿余(さおあまり)ともいう。『地方凡例録(じかたはんれいろく)』によれば、「古検の村新検になれバ、間竿(ケンザオ)の寸尺差(タガ)ふに付、打出しの出歩(デブ)あり」とある。1594年(文禄3)島津領の太閤(たいこう)検地は石高57万石余を確定し、1591年(天正19)の高21万石余に対し6割強の打出をみている。江戸幕府成立期、幕府は従来の間竿6尺3寸を6尺1寸に短縮し、越後(えちご)国(新潟県)頸城(くびき)郡箱井の検地では文禄(ぶんろく)年間(1592~96)の高46石余に対し、その5割にあたる打出を行っている。そのほか、打出は、隠田(おんでん)の摘発や新田開発によっても生じ、これらは農民の年貢増徴をもたらし、百姓一揆(いっき)の原因になる場合もあった。
[北島万次]
『大石慎三郎校訂『地方凡例録』(1969・近藤出版社)』
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