家庭医学館 「水疱性類天疱瘡」の解説
すいほうせいるいてんぽうそう【水疱性類天疱瘡 Bullous Pemphigoid】
お年寄りに多い病気で、突然、全身にかゆみをともなう紅斑(こうはん)が出たのちに、かたくて破れにくい大きな水疱(すいほう)がたくさんできます。
血液中にIgG(免疫(めんえき)グロブリンG)抗表皮基底膜部抗体(こうひょうひきていまくぶこうたい)という自己抗体ができ、それが皮膚の基底膜部に結合して表皮と真皮(しんぴ)がはがれ、表皮下に水疱ができるのです。この自己抗体は、表皮と真皮を接着するヘミデスモソーム(半細胞間橋(はんさいぼうかんきょう))の構成成分(類天疱瘡抗原(こうげん))を抗原ととらえて攻撃することがわかっています。
[検査と診断]
天疱瘡(「天疱瘡」)と同じ方法で検査します。
表皮下に水疱がみられ、皮膚や血清中(けっせいちゅう)にIgG抗表皮基底膜部抗体があれば診断がつきます。
[治療]
天疱瘡(「天疱瘡」)と同様です。軽症の場合はテトラサイクリン剤(1日あたり1500mg)あるいはミノサイクリン剤(1日あたり200mg)とニコチン酸アミド剤(1日あたり1500mg)の併用が有効で、副作用のない方法として注目されています。