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動物体内において抗体を産生させて,その抗体と特異的に反応する物質.異種のタンパク質,多糖,核酸,核タンパク質,リポタンパク質,および合成高分子が抗原となる.たとえば,ウシ血清アルブミンをウサギに非経口的に投与すれば,ウサギ血清中にウシ血清アルブミンに対する抗体が産生される.ウサギ血清アルブミンをウサギに投与しても抗体は産生されない.このように,抗原となる物質は免疫される動物の抗体産生細胞によって“異種”と認識される物質である.一般に,抗原は細菌,血球などの粒子,あるいはタンパク質などの複雑な高分子である.[別用語参照]ハプテン
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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生体に免疫応答を惹起(じゃっき)し(免疫原性)、その結果生じた特異的抗体または特異的リンパ球と反応しうる性質(反応原性)をもったものをいう。免疫原性をもつためには、通常異種で、分子量がある程度以上大である必要があり、タンパク質や多糖体は免疫原性が強い。小分子量(通常1000以下)のものは反応原性はあるが、高分子物質と結合しないと免疫原性はなく、ハプテンhaptenとよばれる。
免疫原となりうる基本構造を抗原決定基といい、多くの抗原は数多くの異なる抗原決定基をもつ複合体で、ハプテンはそれ自体抗原決定基となりうる。
[高橋昭三]
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…抗原が生体に侵入すると,免疫系の中心をなす種々のリンパ球が刺激されて増殖し,種々の機能を現すようになり,免疫が成立する。抗原刺激に対するこのような免疫応答は,その抗原に特異的であり,ひとつひとつの抗原に対しては,それぞれきわめて限定された少数のリンパ球のみが反応する。…
…生体にウイルス,細菌,その他の細胞や動植物の成分などの抗原が侵入すると,生体の免疫系が刺激され,やがてそれらの侵入物に特異的に結合できるタンパク質が合成されて,細胞表面,血清その他の体液中に出現する。このタンパク質が抗体である。…
…K.ラントシュタイナーが1921年に人工抗原の研究に際して提唱した概念上の抗原決定基。ラントシュタイナーの定義によれば,独立では抗原性をもたないが,他のタンパク質(担体)と結合させて投与すれば,特異的な抗体をつくらせ,その抗体と結合する能力を有する低分子物質をさす。…
…この物質はやがて,タンパク質であり,試験管内でさまざまな反応を起こし,生体内では感染防御に働く分子であることが明らかになり,のちに〈抗体〉と呼ばれるようになった。これに対し,この抗体産生を誘導する微生物由来の異物,さらには広く〈自己でないもの〉を〈抗原〉と呼ぶのである。抗原と抗体の試験管内および生体内での反応を〈抗原抗体反応〉と呼ぶが,これは免疫反応の重要な要素である。…
※「抗原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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