岩石学辞典 「沸石相」の解説 沸石相 低度の変成相で,ダイアジェネシスと広域変成作用の過渡的なものである.この変成作用は低温と中程度の荷重圧に支配され,形成された岩石にはローモンタイトが存在する特徴がある[Coombs, et al. : 1959, Fyfe, et al. : 1958].ウィンクラーはこの相をローモンタイト─プレーナイト─石英相としている[Winkler : 1967].エスコラは沸石相を独立した鉱物相として考えなかったが,沸石の形成に注目していた[Eskola : 1939].その後クームスの研究を基にファイフ,およびクークスはこれを沸石相として独立させた.この相では沸石の存在が中心であって,アナルサイム,ヒューランダイト沸石などが形成され,ローモンタイト─石英─緑泥石の組合せが広く見られる[Turner : 1981].沸石類は化学組成に大きく影響を受け,特にH2OやCO2の分圧や量に影響を受ける.沸石相は埋没変成作用によって形成されると考えられ,アナルサイム,ヒューランダイトなどの沸石が形成され,特にローモンタイトの形成が特徴である. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報