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石英 せきえいquartz

翻訳|quartz

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

石英
せきえい
quartz

SiO2 。六方晶系の鉱物。1気圧 573℃の条件でできる六方両錐の高温型石英β-quartzと,それ以下の温度でできる2個の菱面体と,六方柱の集形から成る低温型石英α-quartzとがある。低温型石英の形のよい結晶を水晶という。硬度7,比重 2.65,双晶が多く,日本式双晶が名高い。貝殻状断口,ガラス光沢,無色ないし白色であるが,不純物のため色がつく。強い圧電気性,熱電気性を有する。花崗岩,流紋岩,ペグマタイトなどの過剰の二酸化ケイ素をもつ火成岩の重要な構成鉱物の一つ。石英粒だけから成る砂岩,ケイ岩,鉱脈の脈石鉱物などとして広く産する。光学,理科学器具,ラジオの発振器などに用いられる。紫水晶,煙水晶,虎眼石,カルセドニー,チャート,ジャスパーなどは,色,形,結晶粒の大きさなどの違いによる石英の別名である。 (→瑪瑙 , 宝石 )

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百科事典マイペディアの解説

石英【せきえい】

多くの火成岩・堆積岩・変成岩中の主要構成鉱物で,組成はほとんど純粋なSiO2。トリディマイト,クリストバライト,コーサイト,スティショバイトと多形。低温型のα石英と高温型のβ石英の2種類があり,約573℃で可逆的に転移する。
→関連項目菊花石クォーツ黒鉱信越化学工業[株]

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世界大百科事典 第2版の解説

せきえい【石英 quartz】

化学組成SiO2。石英には低温型石英(α‐石英)と高温型石英(β‐石英)があり,1気圧の圧力のもとで低温型は約573℃まで安定で,高温型は約573℃から870℃まで安定である。天然に産する石英はすべて低温型である。火山岩のなかには高温型の結晶形を示すものもあるが,これも現在は低温型に転移している。なお,石英の結晶を一般に水晶と呼ぶ。
低温型石英
 三方晶系。低温型石英は一般に六角柱状で両端には錐面が発達している。

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大辞林 第三版の解説

せきえい【石英】

二酸化ケイ素からなる鉱物。六角柱状または錐状の結晶。無色ないし白色で、ガラス光沢がある。流紋岩・花崗かこう岩など多くの岩石の造岩鉱物、また砂・礫れきなどとして多量に存在。装飾品・窯業原料などに利用する。 → 水晶

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

石英
せきえい
quartz

重要な造岩鉱物の一種。長石類に次いで産出量が多い。石英には高温型と低温型がある。前者は高温石英high-quartzまたはβ(ベータ)石英beta-quartzとよばれ、1気圧では573~870℃で安定である。六方晶系に属し、柱面がほとんどなく、等価な六つの錐(すい)面からなる両錐状結晶として産することが多い。おもに流紋岩、石英斑(はん)岩など高温でできた酸性火山岩中にみられる。しかし高温石英も常温常圧に置かれると、外形のみそのままで、結晶構造は低温型に転移する。この転移は、高温型と低温型の結晶構造にわずかな違いしかないので容易におこる。したがって現在われわれが手にとってみる石英は鉱物学的にはすべて低温型のものである。低温型は低温石英low-quartzまたはα(アルファ)石英alpha-quartzとよぶ。三方晶系に属するため、6個の錐面は等価でなく、2種類の錐面が一つ置きに並ぶ。また普通、柱面が長く伸びている。結晶形の明らかなものを水晶とよぶ。普通、塊状ないし粒状で、花崗(かこう)岩、流紋岩など酸性火成岩、片麻岩、石英片岩など広域変成岩、砂岩など堆積(たいせき)岩、それらを切る脈と産状は広範囲に及ぶ。色は普通は無色であるが、種々着色したものや異種鉱物を含有するものにいろいろな名称がつけられている。玉髄、めのう、碧玉(へきぎょく)、虎目石(とらめいし)、血石(けっせき)、アベンチュリン、クリソプレースなどのほか、紅、紫、青、黄、黒、煙、鉄などの冠詞をつけてよぶ。鉄石英は微細な赤鉄鉱や針鉄鉱が分散して赤色もしくは黄褐色にみえる。
 石英はガラス原料をはじめ各種窯業原料として重要である。また上質のものは装飾品としたり、物性を利用したりすることも多い。石英の多形(同じ化学組成で原子配列が異なるもの)としては、鱗珪(りんけい)石、クリストバル石、モガン石、コース石、スティショバイトがある。クォーツの英名の由来はあまり明瞭(めいりょう)にわかっていないが、一説にはサクソン語のquerklufterzからきているとされている。このことばは16世紀の初期に鉱山で使われていたもので、金属鉱物が濃集している部分にある交差した石英脈を意味したらしい。ほかに古代スラブ語説、古代高地ゲルマン語説などがある。[松原 聰]
『葛生伸著『半導体・光産業をかげで支える石英ガラスの世界』(1995・工業調査会)』

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世界大百科事典内の石英の言及

【水晶】より

…水晶は石英の俗称で,狭義には結晶の外形が見える無色透明な石英をさす。古くは中国や日本で水精とも書いた。…

【多形】より

…ある原子Aに対してそれに隣接する他の原子の配置は,X1とX2とではまったく同じで,Aから隔たっている原子の配置に至ってX2はX1とは異なるといった状態がよく見られる。その典型的な例は石英の低温相αと高温相βである。Si原子1個が正四面体の中心に位置し,その正四面体の4頂点のそれぞれにはO原子が位置し,これらの四面体が頂点を共有してつながっている点においてはこれら両相の結晶構造は共通しているが,α‐石英の結晶構造は図のa(図にはSi原子のみを示す)のものであるのに対し,β‐石英のそれは図のcのものである。…

【二酸化ケイ素(二酸化珪素)】より

…また合成により結晶および無定形,ガラス状などの二酸化ケイ素が得られる。結晶状態には石英,リンケイ石,クリストバライトの三つの変態がある。石英(水晶,メノウ,玉髄,フリントなどを含む)は無色または不純物により紫,褐色その他に着色している。…

※「石英」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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