エスコラ(読み)えすこら(英語表記)Pentti Eelis Eskola

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エスコラ」の意味・わかりやすい解説

エスコラ
えすこら
Pentti Eelis Eskola
(1883―1964)

フィンランド岩石学者。ヘルシンキ大学で修めた化学を地質学に役だてようと同大学に勤務し、のちに教授になった。1914年、フィンランド南西部のオリイェルビ鉱山地域の変成岩研究学位を得、それに基づいて鉱物相理論を打ち立て、ノルウェーのV・M・ゴルトシュミットとともに、近代変成岩岩石学の基礎を築いた。また、フィンランドのみならず、北ヨーロッパの先カンブリア地質学にも大きな業績を残した。フィンランド地質学会は彼の功績をたたえて、エスコラ・メダルを制定し、その第一号を彼に贈った。バートおよびコレンスCarl Wilhelm Correns(1893―1980)との共著になる『岩石の生成』の変成岩編は不朽の名著である。

[橋本光男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エスコラ」の意味・わかりやすい解説

エスコラ
Eskola, Pentti Eelis

[生]1883.1.8. ホンキラーティ
[没]1964.12.6. ヘルシンキ
フィンランドの地質鉱物学者。ヘルシンキ大学で理論化学を専攻,のち地質学に転じ,ノルウェー,アメリカで研究 (1920~21) 。フィンランド地質調査委員会のメンバー。ヘルシンキ大学の地質学,鉱物学の教授 (24) 。 V.ゴルトシュミット,J.H.L.フォクト,A.ハーカーとともに熱力学的理論化学を岩石学に導入,変成相や鉱物相の概念,花崗岩成因論,マグネシア交代作用の理論などを打立て,近代岩石学に貢献。すぐれた教科書『岩石の生成』 Die Entstehung der Gesteine (39) を共著で出した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「エスコラ」の意味・わかりやすい解説

エスコラ

フィンランドの岩石学者。ヘルシンキ大学教授。V.M.ゴルトシュミットと並んで,化学平衡論的な近代変成岩岩石学の創始者。南西フィンランドのオリエルビ地方の変成岩の研究からその鉱物成分と化学成分の関係発見,変成岩理論の指導原理である鉱物相原理を提唱した。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android