法人実在説(読み)ほうじんじつざいせつ

精選版 日本国語大辞典 「法人実在説」の意味・読み・例文・類語

ほうじんじつざい‐せつ ハフジン‥【法人実在説】

〘名〙 法人は法が擬制したものでなく、自然人と同様の社会的実在であり、法的主体たる実体を具えているとする説。⇔法人擬制説。〔現代文化百科事典(1937)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の法人実在説の言及

【法人】より

… 法人の性質については,これを法律によって特別に擬制された法的人格者と考える説を〈法人擬制説〉という。これに対し,法による擬制ではなく自然人のほかに法的主体たる実体を備えた団体が,実在するのだとする説を〈法人実在説〉という。
[法人の類型]
 法人は,その実体が,人を構成要素としているか,財産を構成要素としているかによって大きく分けられる。…

【法人税】より

…法人税の課税根拠との関係で生ずる最も面倒な問題は,法人の性格をどのように把握すべきかである。この点については,法人擬制説と法人実在説という対立する二つの考え方があり,世界各国においても,ときには法人擬制説の考え方を採用したり,ときには法人実在説の考え方を採用したりしており,振子のように揺れているのが現状である。最近は,このような問題は神学論争のようなもので客観的な解決は不可能として,法人の性格規定に関する議論を回避して,特定の政策目的に照らして,具体的な法人税制度を設定する傾向も生じている。…

※「法人実在説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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