活玉依毘売(読み)いくたまよりびめ

精選版 日本国語大辞典 「活玉依毘売」の意味・読み・例文・類語

いくたまより‐びめ【活玉依毘売】

  1. 陶津耳(すえつみみ)の娘。三輪大物主神の妻。「古事記」には、この女性ヒロインとして、夜ごと訪れる男の衣に糸をつけ跡をたどって男の正体を知る三輪山伝説が見える。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の活玉依毘売の言及

【聖婚】より

…ギリシア神話では,アルゴス王アクリシオスAkrisiosは一人娘ダナエDanaēを青銅の密室のなかに隔離していたが,大神ゼウスは黄金の雨となってダナエと通じ,2人の間に英雄ペルセウスが生まれた。日本では大和の三輪山の大物主神が活玉依毘売(いくたまよりびめ)に毎夜通って生ませた子の子孫が河内の美努(みぬ)村の意富多多泥古(おほたたねこ)であって,崇神天皇はそれに三輪山の神をまつらせたという。【大林 太良】
【聖婚儀礼の諸相】
 聖婚儀礼は,古代オリエントやその周辺の社会でとりわけ広く行われていた。…

【三輪山伝説】より

…《古事記》《日本書紀》崇神天皇の条にみえる伝説。《古事記》によると,陶津耳(すえつみみ)命の娘活玉依毘売(いくたまよりびめ)には夜な夜な通う男があってついに身ごもる。父母が怪しんで男の正体をつきとめるために,糸巻きに巻いた糸を針に通して男の衣の裾に刺すように娘に教えた。…

※「活玉依毘売」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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