最新 地学事典 「海洋島火山岩」の解説
かいようとうかざんがん
海洋島火山岩
oceanic island volcanic rocks
海洋島に産する火山岩。大部分の海洋島にはアルカリ岩系の火山岩がみられるが,ハワイ,アイスランド,ガラパゴス諸島などでは大量のソレアイト質玄武岩も出現する。ハワイ島では,活動の初期にはソレアイト質玄武岩マグマが繰り返し噴出して楯状火山を形成し,活動の後期には楯状火山を覆うようにアルカリ質の玄武岩マグマが噴出した。海面上にアルカリ岩のみが露出する多くの火山島でも,その海面下の山体が,ハワイ島のようにソレアイト質玄武岩で構成されているかどうかは不明の場合もある。海洋島火山岩の中で最も多量にみられるのはアルカリかんらん石玄武岩で,粗面安山岩・粗面岩・ミュージェアライト・フォノライト,ときには強アルカリ玄武岩あるいはアルカリ質の流紋岩を少量伴うこともある。海洋島に出現する玄武岩を海洋島玄武岩(oceanic island basalt;OIB)と呼び,このうちソレアイト質の玄武岩を海洋島ソレアイト(oceanic island tholeiite;OIT),アルカリ質の玄武岩を海洋島アルカリ玄武岩(oceanic island alkali basalt;OIA)と呼ぶことがある。OIBは,中央海嶺玄武岩(MORB)と比較して,K, Ba, Sr, Rb, Zr, Nbなどの不適合元素や軽希土類元素に富む。軽希土類元素の濃度は,MORB, OIT, OIAの順に富む傾向にあるが,P(Plume)-MORBとOITはほぼ同じ濃度を示す。また,Sr, NdおよびPbの同位体組成もOIBとMORBとは異なり,多くのMORBは0.703より小さい87Sr/86Sr値,0.5130より大きい143Nd/144Nd値を有しているのに対して,大部分のOIBはMORBよりも大きい87Sr/86Sr値と小さい143Nd/144Nd値を有している。参考文献:Basaltic Volcanism Study Project(1981) Basaltic volcanism on the terrestrial planets, Pergamon Press
執筆者:周藤 賢治
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

