…財産は,経済学上は簿記用語として用いられるし,法律上は,憲法に財産権の保障の規定(憲法29条)がみられるし,刑法では財産刑の対象となるが,最も多く用いられる法領域は民法,商法および各種の税法である。 簿記用語としては,財産とは一定会計単位組織の有する権利・義務のすべてを含むものとされ,それらは,積極財産(資産)と消極財産(負債)とに分類される。そして,積極財産はさらに有形資産と無形資産とに分けられ,前者は例えば現金,預金,商品,建物などであり,後者は売掛金,貸付金,特許権,営業権のようなものであるといわれている。…
…企業に投下されている総資本のうち,個人企業の場合には事業主の見地からみて,株式会社の場合には株主と企業それ自体とを一体化した立場からみて,みずからが拠出し,もしくはみずからに帰属するとみなされる資本部分を自己資本またはたんに資本と称するのに対して,それ以外の資本部分,すなわち他人から調達し,もしくは他人に帰属するとみなされる資本部分を他人資本または負債と称する。個人企業の場合には,負債は,事業用の総資本の一部分を構成しているにもかかわらず,法律上,事業主個人の債務とみなされるため,事業用の総資産を積極財産というのに対して,負債を消極財産という場合もある。また,事業主,株主,または企業経営者の目には,他人資本の提供者が債権者と映るため,負債は債権者持分とも称される。…
※「消極財産」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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