淹茶(読み)えんちゃ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「淹茶」の意味・わかりやすい解説

淹茶
えんちゃ

湯に浸して出した、だし茶のこと。飲茶(いんちゃ)法の一つ。淹とは水に浸す意である。唐代の陸羽(りくう)著『茶経(ちゃきょう)』のなかに、「瓶缶(かめ)の中に貯え、湯をもってこれに沃(そそ)ぐ、これを淹茶と謂(い)う」とあり、瓶の中の茶に湯を注いだものを淹茶というといっている。1756年(宝暦6)刊の大枝流芳(おおえだりゅうほう)著『青湾茶話(せいわんさわ)』には、「淹茶」の項を設け、日本で産する茶は淹茶として飲むにはよくないといっている。また、1802年(享和2)柳下亭嵐翠(りゅうかていらんすい)の『煎茶(せんちゃ)早指南』にも、淹茶をするには、まず瓶を盆の上に据え、茶を中に入れ、扨(さて)外より熱湯をくみかけて、其(そ)のあたたまりの内へ通った時分に、瓶の中湯を汲(く)みいるる、といっている。

[筒井紘一]

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