大枝流芳(読み)おおえだ りゅうほう

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大枝流芳」の解説

大枝流芳 おおえだ-りゅうほう

?-? 江戸時代中期の香道家。
大坂の人。享保(きょうほう)(1716-36)のころ活躍。風流好事(こうず)家として知られた。香道を御家流大口樵翁(しょうおう)にまなび,大枝流を創始。香道のほか茶道,華道,有職故実(ゆうそくこじつ)などに関するおおくの著作をのこした。別号に青湾,修然翁,釣隠。著作に「青湾茶話」「香道滝之糸」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大枝流芳」の意味・わかりやすい解説

大枝流芳
おおえだりゅうほう

江戸時代中期,享保 (1716~36) 頃の香道家。 1730年代に多数の香書を書き,そのほか茶書『貝尽浦の錦』『本朝瓶史抛入岸の波』『雅遊漫録』『青湾茶話』 (煎茶の書) を出す。宝暦5 (55) 年には没していたらしい。花道煎茶道にも明るく,いわゆる文人。香道は御家流に属し大枝流ともいう。

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世界大百科事典(旧版)内の大枝流芳の言及

【香道】より

…こうして香合や炷継香は組香を中心とする香道の成立を準備したのである。
[香道の成立と沿革]
 香道の成立については享保(1716‐36)ころの大枝流芳(おおえだりゆうほう)(岩田漱芳)以来南北朝の婆娑羅(ばさら)大名佐々木道誉を始祖とする説があるが(《読史備要》),道誉は香木に執心した収集者ではあっても,その香は闘香であり香道ではない。香道家は流派を問わず三条西実隆(尭空)を始祖と仰いでいる。…

【煎茶道】より

…亀田窮楽,彭城百川(さかきひやくせん),伊藤若冲,曾我蕭白,池大雅といった京洛の文人雅客や木村蒹葭堂(けんかどう)など大坂の文人などが,売茶翁の煎茶に関心を寄せ愛好するにいたり,京都を中心に煎茶道,煎茶趣味の流行は,いっそう確かなものとなっていった。 江戸中期,大坂出身で,一時京都の鳴滝,泉谷に隠棲した大枝流芳(生没年未詳)は,風流風雅に生きた人物で,香道や花道にもくわしく〈風流の好事家〉とさえ評されたが,彼は日本最初のまとまった煎茶書ともいうべき《青湾茶話(せいわんさわ)》(1756刊,のち《煎茶仕用集》と改名)を残している。中国の茶書を渉猟しての,文人趣味的な内容のものであるが,売茶翁の風流を継ぐものとされ,このころから茶の湯の世界を意識し,煎茶の独自性,存在を主張する行動が目だちはじめている。…

※「大枝流芳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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