煎茶(読み)せんちゃ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

煎茶
せんちゃ

緑茶の代表的なもの。普通の茶園若葉を原料とし,いったん葉を短時間加熱して酵素をこわしたうえで乾燥してつくる。この結果,葉緑素がほとんど破壊されずに緑色を保っている。なお「煎茶」の名は抹茶以外の茶を総称し,煎茶道をさす場合にも用いる。

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デジタル大辞泉の解説

せん‐ちゃ【煎茶】

緑茶の一種。茶葉の新芽を製したもの。
葉茶を煎じて飲むこと。また、その煎じ出した茶。

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百科事典マイペディアの解説

煎茶【せんちゃ】

茶の葉を蒸して乾燥したもので,日本で茶といえば煎茶を意味する。生産量は緑茶の80%を占める。葉は新芽の先端の三葉を摘んで製する。玉露番茶と同様煎じて飲用するが,玉露より高い60〜70℃の湯でいれる。煎茶様式は中国では早くから起こり,日本でも江戸時代に普及した。茶道では挽茶(ひきちゃ)(抹茶(まっちゃ))に対して煎茶道があり,小川流,花月庵流などの流儀がある。
→関連項目緑茶

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世界大百科事典 第2版の解説

せんちゃ【煎茶】

緑茶の一種で,玉露と番茶の中間の品質のもの。露地栽培で日光を遮蔽せずに,自然のままで育てた若芽でつくる。本来は茶葉を粉末にして湯でかきまぜて飲む抹茶に対して,茶葉に湯を注いで浸出させて飲む方式の茶を指した語で,煎じ茶,出茶(だしちや)とも呼ばれた。《煎茶仕用集》(1756)は近江信楽(しがらき)産の16種の銘柄を挙げ,〈日東煎茶此産第一とす〉と,煎茶は信楽産が最良であるとしている。その煎茶を玉露と煎茶に区分するようになったのは,幕末~明治初期に玉露という,新しく良質な煎茶が出現したことによるものであろう。

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大辞林 第三版の解説

せんちゃ【煎茶】

緑茶の一。茶の若葉を摘んで精製し、湯を注ぎ香りや味を煎じ出した飲み物。また、その葉茶。
玉露・番茶に対して中級の茶。

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飲み物がわかる辞典の解説

せんちゃ【煎茶】


茶の木の新芽で作る緑茶。日本茶でもっとも一般的なもの。新芽を摘み取って、発酵が生じないように短時間(20秒~2分程度)蒸した後、熱風にあてて水分を除きながらもみほぐして細くまっすぐに形をととのえ、乾燥させて作る。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

煎茶
せんちゃ

緑茶の一種。1738年(元文3)に山城(やましろ)(京都府)の永谷宗円(そうえん)が創案した茶で、日本人の嗜好(しこう)によくあって発展普及し今日に及んでいる。摘み取った茶の芽葉をまず蒸し、粗揉(そじゅう)→揉捻(じゅうねん)→中揉(ちゅうじゅう)→精揉(せいじゅう)→乾燥の工程を経て製品になる。摘採の季節によって一番茶、二番茶、三番茶に分けられるが、一番茶は芽葉も柔らかく形も整い香味も優れ、なかでも立春から数えて八十八夜前後に摘んでつくられた茶は、いわゆる新茶として味、香りともに優れ珍重される。中、下級茶は一番茶末期の硬化葉や二、三番茶を原料としたもので、アミノ酸は少なく、苦味成分のタンニンが多く、うま味は落ちる。
 良品は形状が葉長方向に細く伸び、よりが固く締まっていて、全体に形がそろっていて、色は濃緑色でつやもある。茶をいれたときの水色(すいしょく)は濃黄淡緑色で沈殿の少ないもの、また香気は清らかな芳香で、青臭み、生臭みのないものがよい。味は苦味、渋味と甘味、うま味が調和して舌にまろやかな感じを与え、あとくち(飲んだあとに残るもの)の爽快(そうかい)なものが良品である。昔は産地により特徴があり、品質にも違いがあったが、現在では栽培、製造の方法も進歩し、品種も普及して品質の格差は縮まり、各地の特色もならされてきている。山間部などで生産規模の拡大がむずかしい所では、いまでもていねいに摘み取って製造しており、良品が多い。上級品を飲む場合、茶の量は3人分で約6グラム、湯は70℃ぐらいに冷まし、170~180ミリリットル注いで約2分浸出させる。[桑原穆夫]

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世界大百科事典内の煎茶の言及

【煎茶道】より

煎茶とは茶葉を湯で煎じて飲むこと,抹茶(挽茶(ひきちや))以外の日常に飲む茶あるいはその茶葉を総称する場合もある。茶の湯(茶道)に対して,煎茶の煎法,手前,作法を煎茶道という。…

【チャ(茶)】より

…これ以後の操作は乾燥,揉捻(じゆうねん),整形であり,茶の保存性や商品価値を高めるとともに,使用時の茶葉成分の浸出を容易にするために行う。煎茶の製造は蒸熱,粗揉,揉捻,中揉,精揉,乾燥の6工程からなる。この工程は日本で発達した手もみ製茶法を基礎とするもので,現在でも生産家の間で伝統技術として伝承されている。…

【売茶翁】より

…僧号月海,諱(いみな)は元昭,晩年は還俗して高遊外と自称した。煎茶人として知られ,煎茶の中興といわれ,また本朝煎茶の茶神とまで称賛される。12歳のとき肥前竜津寺で同寺開山の化霖道竜につき出家,ついで化霖の師万福寺の独湛性瑩(しようけい)に師事し禅の修行に励んだ。…

※「煎茶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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