普及版 字通 「渝」の読み・字形・画数・意味
渝
12画
[字訓] かわる・あふれる
[説文解字]
[字形] 形声
声符は兪(ゆ)。兪は、把手(とつて)のある手術刀(余)で膿漿(のうしよう)を盤(舟)に移す形。治癒の(癒)の初文。ものを此より彼に移す意がある。状態の推移し、変化することをいう。ゆえに渝改の意となる。〔説文〕十一上に「に變ずるなり」と、清水が汚濁となる意とし、また一に「渝水」と、水名とする。〔詩、風、羔裘〕に「命(めい)に舍(を)りて渝(かは)らず」とあり、〔伝〕に「變なり」という。単に更改する意にも用い、〔左伝、隠六年〕に改め誓うことを「渝(か)へてらぐ」のようにいう。
[訓義]
1. かわる、うつる、変化する。
2. とける、あふれる。
3. 兪と通じ、しかり。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕渝 ミチ・アフル・カヘル・カハル・ユク・ハル・アセミヅ
[語系]
渝・兪・踰・揄jioは同声。兪にものを移しかえる意があり、兪声の字にその声義を承けるものが多い。
[熟語]
渝移▶・渝▶・渝言▶・渝節▶・渝替▶・渝薄▶・渝変▶・渝盟▶・渝約▶・渝濫▶
[下接語]
虧渝・数渝・遷渝・不渝・弗渝
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報