…しかし自然のままの立木作りから,中刈,根刈といった刈桑技術がしだいに採用されるようになって,クワ1本当りの供給桑葉量が増え,下層農民の小規模養蚕も可能となった。飼育法は自然の天候によって飼育する清涼育が一般的であったが,幕末に奥州岩代で火力を利用する温暖育が発明され,飼育日数が短縮された。この温暖育は伊達郡梁川町(現,福島県)の田口彦太郎が1830年代にくふうし,同町の中村善右衛門が40年代に考案した養蚕用寒暖計を用いることによって技術的に完成したものである。…
※「温暖育」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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