焚付(読み)たきつける

精選版 日本国語大辞典 「焚付」の意味・読み・例文・類語

たき‐つ・ける【焚付】

〘他カ下一〙 たきつ・く 〘他カ下二〙
① 火をつけて燃やし出す。特に、かまどの火をつける場合にいう。
今昔(1120頃か)五「狐は火を取て来て焼付けて」
相手感情を刺激して、ある行動にかりたてる。けしかける。
浮世草子・男色十寸鏡(1687)下「さては此若衆、そなたに心よせあるにやなど、焼(タキ)つけそやしければ」
[補注]近世上方語では、②の意味で、「藁を焚きつける」「藁を焚く」などの表現もあり、②は「藁を焚きつける」の略されたものともいう。〔近世上方語辞典〕

たき‐つけ【焚付】

〘名〙 まきや炭などにすぐ火が燃えつくように用いる枯柴、こっぱなどのこと。
※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「跡枕に松火を付け、炬(タキツケ)とこそ作(す)れ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android