特殊器台形土器(読み)とくしゅきだいけいどき

山川 日本史小辞典 改訂新版 「特殊器台形土器」の解説

特殊器台形土器
とくしゅきだいがたどき

壺などをのせる器台形土器が特殊化した,高さ1mほどの円筒形土器。弥生後期後半に大型化し,弧帯文(こたいもん)などの特殊な文様や赤彩を施す。吉備地方の弥生後期の器台形土器に祖型をもつと考えられ,おもに埋葬関連の遺構から発見される。特殊器台形埴輪をへて円筒埴輪へと変化する。特殊壺形土器セットになる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の特殊器台形土器の言及

【墳墓】より

…後期も後葉になると,この墳丘墓は西日本各地でつくられるようになり,なかには1辺30mを超えるもの,径40mに達する大規模なものも出現する。また前方部の祖型とみられる突出部を付設するもの,葺石の先駆となるような貼石(はりいし)を施すもの,埴輪の原型としての特殊器台形土器,壺形土器を埋葬祭祀に用いるもの,短小ながら割竹形木棺や竪穴式石室を備えるものなどが現れ,個々の要素としては前方後円墳に著しく接近をみせる(方形台状墓)。さらに中心埋葬の卓越もみられ,墳丘の大型化,その他の祭祀機能の整備とともに,首長の神格化が,集団間,地域間の不均等を伴って始まっていたことを示している。…

【弥生土器】より

…弥生文化に用いられた軟質,赤焼きの土器。縄文土器に後続し,古墳時代の土師器(はじき)に先行する。1884年に東京本郷の弥生町向ヶ丘貝塚(弥生町遺跡)で採集された土器がもとになって,90年代から〈弥生式土器〉の名称が生まれた。最近では,細別するときに加曾利B式,遠賀(おんが)川式など〈式〉をつけるほうが明快だという考えから,総称としては〈式〉を抜いて〈縄文土器〉〈弥生土器〉の名が使われる。なお近年までは,冒頭に掲げた定義とまったく逆に,〈弥生式土器〉の行われた文化・時代を弥生文化,弥生時代と呼んできた。…

※「特殊器台形土器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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