デジタル大辞泉
「文様」の意味・読み・例文・類語
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文様【もんよう】
装飾的効果をあげるためにものの表面につけられる図形で,規則正しく繰り返される場合が多い。模様ともいうが,通常,装飾史において様式化されたモティーフの単位を学問的対象としてみる場合には〈文様〉の語が使われる。一方,工芸品に繰り返される意匠の場合は,〈模様〉と呼ばれるのが一般的である。文様による装飾は人間のなかば本能的なもので,各地各民族の間で古くから建築,工芸,服飾等多方面に用いられている。新石器時代の土器やエジプトの壺絵(幾何学様式)にみられる純粋に幾何学的なもの,雷文,流水文のように様式化したもの,アカンサス,アラベスク,パルメット等のように動植物をモティーフとしたものに大別されるが,一般に徐々に形や構成を簡略化し,抽象化される傾向がある。
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文様
もんよう
pattern
模様。工芸品や建築物の表面を色彩,線,面,形象などで装飾した図様の単位。幾何学文と動・植物文とに大別される。また構成方法によって,単独文と連続文および地文に分けられる。単独文には単一の図文から成るものと,各要素を複合して単一の図文に構成したものとがある。連続文には有機的連続文と並列文,分散文などがある。地文は単独文が左右,上下に展開して一定の面をおおうもので市松文,雷文などがこれにあたる。時代,地域,民族によって,特有の図形の構成がみられる。
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もんよう【文様】
物の表面を飾るためにつけられた図様を文様という。文様は紋様あるいは模様(もよう)とも書かれる。普通には,装飾史において,様式化したモティーフの単位を,その構成原理にもとづく学問的な対象としてみる場合に〈文様〉の術語を使う。これに対し,やや紋章的な感じをふくむ図文を〈紋様〉と呼び,染織などを主とする工芸品に〈型〉としてくりかえされるような意匠の場合は,一般に〈模様〉と呼ばれる。歴史的には〈光琳模様〉のように,模様という言葉は,日本では江戸時代以後に流行するようになった。
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