玉かぎる(読み)タマカギル

デジタル大辞泉 「玉かぎる」の意味・読み・例文・類語

たま‐かぎる【玉かぎる】

[枕]玉がほのかに輝く意から、「夕」「日」「ほのか」「はろか」「ただ一目」などに、また「磐垣淵いはかきふち」にもかかる。
「―夕さりれば」〈・四五〉
「―ほのかに見えて別れなばもとなや恋ひむふ時までは」〈・一五二六〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「玉かぎる」の意味・読み・例文・類語

たま‐かぎる【玉かぎる】

  1. ( 「かぎる」は輝く意、玉がほのかな光を出している意から。「たまかきる」もあるか )
  2. 淡い光の意。
    1. (イ) 「ほのか」にかかる。
      1. [初出の実例]「玉蜻蜒(たまかぎる)ほのかに見えて別れなばもとなや恋ひむ逢ふ時までは」(出典万葉集(8C後)八・一五二六)
    2. (ロ) 「夕」にかかる。
      1. [初出の実例]「玉蜻(たまかぎる)夕さりくればさつ人の弓月が嶽に霞たなびく」(出典:万葉集(8C後)一〇・一八一六)
  3. ( から転じて ) 「ただ一目」「日」「はろか」にかかる。
    1. [初出の実例]「はだすすき穂には咲き出ぬ恋を吾がする 玉蜻(たまかぎる)ただ一目のみ見し人故に」(出典:万葉集(8C後)一〇・二三一一)
  4. 岩垣淵(いわかきぶち)」にかかる。かかり方未詳。
    1. [初出の実例]「さねかづら 後も逢はむと 大船の 思ひたのみて 玉蜻(たまかぎる) 岩垣淵の 隠(こも)りのみ 恋ひつつあるに」(出典:万葉集(8C後)二・二〇七)

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