デジタル大辞泉 「一目」の意味・読み・例文・類語 いち‐もく【一目】 [名](スル)1 ただちょっと見ること。一見。「一目して状況を把握する」2 ひとめに見渡すこと。一望。「洛陽の平原は―の中に落ちて」〈蘆花・思出の記〉3 碁盤上の一つの目。また、1個の碁石。4 網や網状になったものの一つの目。→目もく[類語]ちらり・ちらと・ちらっと・ちらちら・ちらりちらり・ちら見・一瞥いちべつ・一目ひとめ・一見・瞥見べっけん・一顧・ちょっと見 ひと‐め【一目】 1 一度だけ、または、ちょっとだけ見ること。「一目見て気に入る」「一目で正体を見破る」2 一度に広い範囲を見渡すこと。「町が一目で見渡せる」3 目の中いっぱい。「涙を―受けて見おこせ給へる」〈源・須磨〉[類語]ちらり・ちらと・ちらっと・ちらちら・ちらりちらり・ちら見・一瞥いちべつ・一目いちもく・一見・瞥見べっけん・一顧・ちょっと見 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「一目」の意味・読み・例文・類語 いち‐もく【一目】 〘 名詞 〙① 一つの目。一方の目。また、片目。独眼。隻眼。[初出の実例]「眇は一目の小也」(出典:古文真宝笑雲抄(1525)一)[その他の文献]〔晉書‐殷仲堪伝〕② 目が一つしかないとされる想像上の人間。一目国の人。③ ( ━する ) 一度だけちらりと見ること。一見。一瞥(いちべつ)。[初出の実例]「其貧窶(ひんく)一目して知らるべし」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一)「ジェリは一目宝石の様に見えるが、ぶるぶる顫へて、羊羹程の重味がない」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉四)④ ( ━する ) ひとめに見渡すこと。一望。[初出の実例]「洛中洛外、数里之景、在二一目間一奇絶々々」(出典:蔭凉軒日録‐長享三年(1489)二月九日)「九段は則ち都下最高の丘地にして而して都下を一目す」(出典:東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉初)⑤ 網、また、網状になったものの目の一つ。[初出の実例]「一目之羅、不レ能レ得レ鳥。万術助二観念一、成二往生大事一」(出典:往生要集(984‐985)大文五)[その他の文献]〔淮南子‐説山訓〕⑥ 碁で、碁石、また、碁盤上の目の一つ。〔運歩色葉(1548)〕⑦ ものごとを細かく分けた時、項より下位の区分の一つ。項目の一つ。 ひと‐め【一目】 〘 名詞 〙① 一度見ること。ちょっと見ること。[初出の実例]「山がひに咲ける桜をただ比等米(ヒトメ)君に見せてば何をか思はむ」(出典:万葉集(8C後)一七・三九六七)「ひと目で時代の古い物と分るものが」(出典:薪小屋(1962)〈庄野潤三〉)② ( 「涙をひとめ」の形で ) 目全体。目の中いっぱい。[初出の実例]「女君、涙ひとめうけて見おこせ給へる」(出典:源氏物語(1001‐14頃)須磨)③ 物または景色を一度に見渡すこと。一望。[初出の実例]「三千大せかいをひとめに見」(出典:説経節・あいごの若(山本九兵衛板)(1661)四)④ 結び目、編み目、網の目、盤の目などの、ひとつ。ひとつの目数。[初出の実例]「勝たんとうつべからず〈略〉一めなりとも、おそく負くべき手につくべし」(出典:徒然草(1331頃)一一〇)⑤ あることがらについての情報を集め、一度でわかるようにした冊子、表など。一覧。[初出の実例]「貸家一目(かしやヒトメ)といふものさへ出来てゐる此東京に」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉中) ひとつ‐め【一目】 [ 1 ] 〘 名詞 〙① 目が一つであること。また、一つの目。あるいは、目が一つであるもの。ひとつまなこ。[初出の実例]「一目(ヒトツメ)斗り居る所へ二つ目の者が行けば」(出典:落語・唐茶屋(1897)〈六代目桂文治〉)② 二つの目のうち、一方の目しか見えないこと。また、そういう人や見えるほうの目。ひとつまなこ。[初出の実例]「一眼で御家の曲りため直し」(出典:雑俳・柳多留‐三七(1807))③ ( 「め」は接尾語 ) 最初の順番。また、そのもの。[ 2 ][ 一 ] 江戸、本所の竪川に架けた一之橋の俗称。また、その付近。[ 二 ] 江戸、本所の一つ目弁天の俗称。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by