一目(読み)イチモク

デジタル大辞泉の解説

いち‐もく【一目】

[名](スル)
ただちょっと見ること。一見。「一目して状況を把握する」
ひとめに見渡すこと。一望。
「洛陽の平原は―の中に落ちて」〈蘆花思出の記
碁盤上の一つの目。また、1個の碁石。
網や網状になったものの一つの目。→目(もく)

ひと‐め【一目】

一度だけ、または、ちょっとだけ見ること。「一目見て気に入る」「一目で正体を見破る」
一度に広い範囲を見渡すこと。「町が一目で見渡せる」
目の中いっぱい。
「涙を―受けて見おこせ給へる」〈・須磨〉

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大辞林 第三版の解説

いちもく【一目】

( 名 ) スル
ただひと目見ること。一見。 「 -して明らかだ」
ひと目に見渡すこと。一望。 「洛陽の平原は-の中に落ちて/思出の記 蘆花
網状のものの一つの目。
囲碁で、一個の碁石。または、碁盤上の一つの目。
[句項目] 一目置く

ひとめ【一目】

ちょっと見ること。 「 -会いたい」
景色などが、一度ですべて見えること。一望。 「峠から町は-で見渡せる」
目にいっぱいであること。 「涙を-浮けておはするに/源氏 宿木

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

いち‐もく【一目】

〘名〙
一つの目。一方の目。また、片目。独眼。隻眼。
※古文真宝笑雲抄(1525)一「眇は一目の小也」 〔晉書‐殷仲堪伝〕
② 目が一つしかないとされる想像上の人間。一目国の人。
③ (━する) 一度だけちらりと見ること。一見。一瞥(いちべつ)
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一「其貧窶(ひんく)一目して知らるべし」
※草枕(1906)〈夏目漱石〉四「ジェリは一目宝石の様に見えるが、ぶるぶる顫へて、羊羹程の重味がない」
④ (━する) ひとめに見渡すこと。一望
※蔭凉軒日録‐長享三年(1489)二月九日「洛中洛外、数里之景、在一目間奇絶々々」
東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉初「九段は則ち都下最高の丘地にして而して都下を一目す」
⑤ 網、また、網状になったものの目の一つ。
往生要集(984‐985)大文五「一目之羅、不鳥。万術助観念、成往生大事」 〔淮南子‐説山訓〕
⑥ 碁で、碁石、また、碁盤上の目の一つ。〔運歩色葉(1548)〕
⑦ ものごとを細かく分けた時、項より下位の区分の一つ。項目の一つ。

ひとつ‐め【一目】

[1] 〘名〙
① 目が一つであること。また、一つの目。あるいは、目が一つであるもの。ひとつまなこ。
※落語・唐茶屋(1897)〈六代目桂文治〉「一目(ヒトツメ)斗り居る所へ二つ目の者が行けば」
② 二つの目のうち、一方の目しか見えないこと。また、そういう人や見えるほうの目。ひとつまなこ。
雑俳柳多留‐三七(1807)「一眼御家の曲りため直し」
③ (「め」は接尾語) 最初の順番。また、そのもの。
[2]
[一] 江戸本所の竪川に架けた一之橋の俗称。また、その付近。
[二] 江戸、本所の一つ目弁天の俗称。

ひと‐め【一目】

〘名〙
① 一度見ること。ちょっと見ること。
※万葉(8C後)一七・三九六七「山がひに咲ける桜をただ比等米(ヒトメ)君に見せてば何をか思はむ」
※薪小屋(1962)〈庄野潤三〉「ひと目で時代の古い物と分るものが」
② (「涙をひとめ」の形で) 目全体。目の中いっぱい。
※源氏(1001‐14頃)須磨「女君、涙ひとめうけて見おこせ給へる」
③ 物または景色を一度に見渡すこと。一望。
※説経節・あいごの若(山本九兵衛板)(1661)四「三千大せかいをひとめに見」
④ 結び目、編み目、網の目、盤の目などの、ひとつ。ひとつの目数。
※徒然草(1331頃)一一〇「勝たんとうつべからず〈略〉一めなりとも、おそく負くべき手につくべし」
⑤ あることがらについての情報を集め、一度でわかるようにした冊子、表など。一覧。
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉中「貸家一目(かしやヒトメ)といふものさへ出来てゐる此東京に」

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