知恵蔵 「王家の紋章」の解説
王家の紋章
考古学を学ぶためにエジプトに留学した主人公キャロル・リードが、古代エジプト王(ファラオ)であるメンフィスの墓を暴いたため、メンフィスの異母姉・アイシスの呪いによって古代エジプトにタイムスリップしてしまうことから、物語は始まる。
16歳の米国人であるキャロルは、金髪に青い目という容姿や、現代人としての価値観や考古学の知識のために、「ナイルの娘」「黄金の姫」として古代エジプト人から尊敬を集める存在となる。
その後、17歳の少年王・メンフィスと恋に落ち、困難を経て王妃となるが、メンフィスに近づく女性を敵対視するアイシスに命を狙われたり、権力争いや暗殺計画など様々な抗争に巻き込まれたりする。
古代エジプトの王室内の争いにとどまらず、近隣諸国からのエジプト侵攻も描かれており、キャロル自身もたびたび奪われる対象となる。
これまで、映像化やアニメ化など、マンガ以外の作品として見ることはできなかったが、2016年8月に東京・帝国劇場でミュージカル化される。キャロルはSNH48/SKE48の宮澤佐江と新妻聖子のダブルキャストで、メンフィスは浦井健治が演じる。音楽は「エリザベート」「モーツァルト!」などを手掛けたシルベスター・リーバイで、演出は宝塚歌劇団で演出を手掛けた荻田浩一である。
(若林朋子 ライター/2015年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報