甲・乙・丙型潜水艦(読み)こう・おつ・へいがたせんすいかん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「甲・乙・丙型潜水艦」の意味・わかりやすい解説

甲・乙・丙型潜水艦
こう・おつ・へいがたせんすいかん

旧日本海軍の潜水艦。 (1) 甲型 潜水戦隊旗艦用潜水艦で,通信力が大きく,同型艦は6隻。伊9型,伊 10型,伊 11型は,1941年2月竣工。主要目は,常備排水量 2919t,速力水上 23.5kn,水中 8kn,14cm砲1,53cm魚雷発射管6 (魚雷 18搭載) ,カタパルト1,水偵1機搭載。航続距離は速力 16knで1万 6000海里 (2万 6900km) 。なお,同型の伊 12型,伊 13型,伊 14型は,復動式ディーゼルの生産が間に合わなかった太平洋戦争中の急造艦で,水上速力 17kn,水中速力 6knに低下した。伊 13型,伊 14型は攻撃機2機を搭載し,その後,特型潜水艦 (潜水空母) として改装されたが,任務途中で終戦。 (2) 乙型 航空機搭載の艦隊潜水艦。 2500~2600t級で,甲型と同じく魚雷発射管6 (魚雷 17搭載) ,水偵1機搭載。伊 15型 20隻,伊 40型6隻建造後,甲型と同様戦時急造艦のため速力は水上 17.7knに低下した。 (3) 丙型 水偵を搭載せず雷装 (魚雷発射管8,魚雷 20搭載) を重視した 2500t級の潜水艦。伊 16型5隻,伊 46型3隻は水上速力 23.6knであったが,戦時急造艦の伊 52型3隻は,水上速力 17.7knに低下した。

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