水上(読み)スイジョウ

デジタル大辞泉 「水上」の意味・読み・例文・類語

すい‐じょう〔‐ジヤウ〕【水上】

水の上。水面。「水上交通」
水のほとり。水辺。「水上公園」
[類語]水面すいめん水面みなも水中水際水辺川辺葦辺

みなかみ[地名]

群馬県北部、利根郡の町名。利根川上流域を占める。平成17年(2005)月夜野つきよの町・水上町・新治にいはる村が合併して成立。谷川岳の登山口があり、温泉やスキー場が多い。

み‐な‐かみ【水上】

《「な」は「の」の意の格助詞
水の流れてくる上の方。上流。川上。⇔水下みなしも
物事の起源。みなもと。
「この度法の―成れば甲斐の身延へ参り」〈虎寛狂・宗論

みなかみ【水上】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「水上」姓の人物
水上滝太郎みなかみたきたろう
水上勉みなかみつとむ

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精選版 日本国語大辞典 「水上」の意味・読み・例文・類語

すい‐じょう‥ジャウ【水上】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「すいしょう」 )
  2. 水のうえ。水の表面。水のおも。水面。
    1. [初出の実例]「水上青蘋莫浪、君王少選愛遊魚」(出典:凌雲集(814)夏日陪幸左大将藤原冬嗣閑居院応製〈滋野貞主〉)
    2. 「Fluito〈略〉Suixǒni(スイシャウニ)ウカム」(出典:羅葡日辞書(1595))
    3. 「要するに大海の水上に劃した無跡の線に過ぎない」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉八)
    4. [その他の文献]〔宋之問‐傷曹娘詩〕
  3. 水のほとり。水のそば。水辺。水際(みずぎわ)
    1. [初出の実例]「水上煙花表裏紅、流盃欲把酔顔同」(出典:菅家文草(900頃)五・神泉苑三日宴、同賦煙花曲水紅)
    2. [その他の文献]〔管子‐軽重・丁〕
  4. かわかみ。みなかみ
    1. [初出の実例]「自分等は、そろそろ小金井の堤を、水上の方へとのぼり初めた」(出典:武蔵野(1898)〈国木田独歩〉六)
    2. [その他の文献]〔史記‐淮陰侯伝〕

み‐な‐かみ【水上】

  1. [ 1 ] ( 「な」は「の」の意 )
    1. 水流の本の方。流れのみなもと。川上。上流。
      1. [初出の実例]「みなかみとむべもいひけり雲ゐよりおちくるごとん見ゆる滝かな」(出典:伊勢集(11C後))
    2. 事物の源流。物事の起源。みなもと。
      1. [初出の実例]「かの家の水上は、清和天皇の後胤として」(出典:謡曲・鞍馬天狗(1480頃))
  2. [ 2 ] 群馬県北部の地名。利根川の上流域にある。水上温泉郷のほか谷川岳や藤原湖洞元湖などがあり、スキー場も多い。

みず‐あげみづ‥【水上】

  1. 〘 名詞 〙 東北地方で盆や正月に先祖をまつる本家の仏壇を拝みに行くこと。土地によっては盆に親類をまわって仏壇を拝み盆礼をすることをいう。たなまいり。

みずかみみづかみ【水上】

  1. 〘 名詞 〙 姓氏の一つ。

みなかみ【水上】

  1. 姓氏の一つ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「水上」の意味・わかりやすい解説

水上
みなかみ

群馬県北部、利根郡(とねぐん)にあった旧町名(水上町(まち))。現在は同郡みなかみ町の中央から北部を占める地域。旧水上町は1947年(昭和22)町制施行。2005年(平成17)月夜野町(つきよのまち)、新治村(にいはるむら)と合併し、みなかみ町となる。JR上越線、関越(かんえつ)自動車道、国道291号が通じる。いわゆる奥利根の地域で、利根川水系最上流の山岳地域である。大部分が森林地帯で、森林の85%は国有林、その90%がブナなどの天然林に覆われ、畑作を主とする耕地は、谷沿いに分布する程度である。利根川上流には、奥利根湖矢木沢ダム)、ならまた湖(奈良俣ダム)、洞元湖(どうげんこ)(須田貝ダム)、藤原湖(藤原ダム)の四つの人造湖がある。1931年(昭和6)清水トンネルができ上越線が開通。町の特色は観光で、水上温泉をはじめ数か所の温泉、谷川岳(たにがわだけ)、四大人造湖などの観光資源、奥利根、大穴(おおあな)、天神平(てんじんだいら)、水上高原などのスキー場に恵まれ、京浜休養観光地帯の一つとして、四季観光やレジャーを楽しむものが多い。関越自動車道の水上インターチェンジがあり、水上駅の北2キロメートルに国指定史跡の水上石器時代住居跡がある。そのほか、国指定重要文化財の旧戸部家住宅、国指定重要有形民俗文化財の雲越家住宅などがある。

[村木定雄]


水上(村)
みずかみ

熊本県南東部、球磨郡(くまぐん)にある村。南流する球磨川と西流する湯山川との合流地点からほぼ真東へ向けて楕円(だえん)状に広がっている台地を除けば、全域、四万十(しまんと)層群の急峻(きゅうしゅん)な九州山地北部からなる。村域の92%も占める山林原野は自給制の強い焼畑耕作の舞台であったが、1960年(昭和35)に市房(いちふさ)ダムが建設されたのを契機に、恵まれた四季の山岳景観や埋もれていた名所旧跡を生かした観光産業へ依存し始めた。ヤマメ養殖、クリ栽培、イチゴ、メロン栽培も行われるようになり、育牛に偏っていた農林家の副業も多様化してきている。南端をほぼ東西に国道446号が走り、沿道近くに湯山温泉がある。面積190.96平方キロメートル、人口2033(2020)。

[山口守人]


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百科事典マイペディア 「水上」の意味・わかりやすい解説

水上[町]【みなかみ】

群馬県北部,利根郡の旧町。利根川上流域を占め,西境に谷川岳,東境に至仏山(しぶつさん),南東境に武尊山(ほたかやま)がそびえる。中心は上越線,関越自動車道が通じる湯原で,水上温泉(含石膏苦味泉,42℃)がわき,利根川沿いに温泉街が発達,湯檜曾(ゆびそ),上牧(かみもく),谷川など水上温泉郷の中心をなす。上信越高原国立公園に属する谷川岳,天神平スキー場などの観光基地でもある。利根川最上流に矢木沢ダムがある。2005年10月,利根郡月夜野町,新治村と合併し町制,利根郡みなかみ町となる。527.72km2。6085人(2003)。
→関連項目群馬[県]大清水トンネル

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「水上」の意味・わかりやすい解説

水上
みなかみ

群馬県北部,みなかみ町北部の旧町域。利根川の上流域を占める。 1947年町制。 2005年月夜野町,新治村と合体して,みなかみ町となる。西に谷川岳,東に至仏山,南東に武尊山がそびえる。水上温泉を中心とした町で,1931年上越線の開通により急速に発展。ホテル,旅館などの施設が完備され,温泉,登山,スキーと四季を通じて観光・レジャー客でにぎわう。山地が広く,水資源に恵まれ,重要な電源地帯となっている。利根川上流部に矢木沢ダム,須田貝ダム,藤原ダム,奈良俣ダムの4ダムが建設され,奥利根湖,洞元湖,藤原湖のいわゆる奥利根三湖と,ならまた湖ができた。国指定重要文化財の旧戸部家住宅や国指定有形民俗文化財の上州藤原 (旧雲越家) の生活用具および民家,国指定史跡の水上石器時代住居跡がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「水上」の意味・わかりやすい解説

水上[村] (みずかみ)

熊本県南東部,球磨(くま)郡の村。人口2405(2010)。九州山地の中央部,球磨川の最上流域に位置し,県の最高峰市房山(1722m)が宮崎県境にそびえる。球磨川が村域中央を南流し,湯山川との合流点に多目的ダムの市房ダムがある。中心集落は国道388号線が通じる岩野。米作のほか茶,シイタケ,クリの栽培と畜産などが行われ,村域の大部分を占める山林から良材を産する。市房ダム周辺は市房山県立公園として整備され,キャンプ場,サイクリングコースもあり,桜,紅葉の名所となっている。湯山川沿いの湯山温泉(単純硫黄泉,36℃)は市房山登山の基地。
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水上 (みなかみ)

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普及版 字通 「水上」の読み・字形・画数・意味

【水上】すいじよう(じやう)

川上。水辺。また、水の上。唐・張説〔梁六を送る~〕詩 巴陵、一す、洞の秋 日に見る、峰の水上にぶを

字通「水」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の水上の言及

【水上[町]】より

…1931年に上越線が開通してから温泉街が発達し,上信越高原国立公園観光の拠点となった。中心の水上温泉(含ボウ硝セッコウ泉,42~50℃)は上越沿線最大の観光地の一つとなっている。また町域には利根川本・支流沿いの上牧(かみもく),奈女沢(なめさわ),谷川,大穴,湯檜曾(ゆびそ),さらに上流の宝川湯ノ小屋など水上温泉郷に属する諸温泉がある。…

【大田[市]】より

…中世には石見(大森)銀山で栄えた大森に中心があり,天領として銀山奉行所,のち代官所が置かれていたが,明治以後銀脈が衰え,1939年閉山した。第2次世界大戦後は沿岸の五十猛の石見鉱山でセッコウや黒鉱が産出され,また豊富な粘土層に恵まれた南西部の水上地区は,良質の石州瓦の産地として知られる。大山隠岐国立公園に含まれる三瓶(さんべ)山,三瓶温泉,大森銀山史跡を中心とした代官所跡,間歩(まぶ)(坑道)跡,五百羅漢,川合の井戸神社などの観光地がある。…

※「水上」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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