潜水空母(読み)せんすいくうぼ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「潜水空母」の意味・わかりやすい解説

潜水空母
せんすいくうぼ

敵の制空・制海下を潜航突破して敵本国の要地を攻撃するために攻撃機を搭載した旧日本海軍の潜水艦。潜水艦搭載の航空機を実用化し (→甲・乙・丙型潜水艦 ) ,作戦に使用したのは日本海軍だけであったが,その経験に基づいて太平洋戦争開戦直後の 1942年1月軍令部の要求によって,潜水空母である特型潜水艦建造が決定された。最初は 18隻建造の予定のところ,終戦までに伊 400,伊 401,伊 402の3隻が完成されたにとどまった。また伊 13が伊 14とともに建造中に変更され,潜水空母として完成された。伊 400の主要目は,常備排水量 6560t,速力水上 18.7kn,水中 6.5kn,14cm砲1,魚雷発射管8,カタパルト1,水上攻撃機3機搭載。航続距離は 14knで,3万 7500海里 (約6万 9400km) 。伊 13の主要目は,常備排水量 4702t,速力,水上 16.7kn,水中 5.5kn,14cm砲1,魚雷発射管6,カタパルト1,水上攻撃機2機搭載。航続距離は 16knで,2万 1000海里 (約3万 8900km) 。これらのうち4隻をもって,45年8月攻撃に出航したが,作戦実行にいたる前に終戦を迎えた。伊 400型は,ポラリス潜水艦出現まで世界最大の潜水艦であり,潜航性能,操縦性も良好であった。航続距離は世界のいずれの地へも往復可能であり,4ヵ月の行動に耐えられるものであった。

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