異体類(読み)いたいるい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「異体類」の意味・わかりやすい解説

異体類
いたいるい
[学] Heterosomata

カレイ目魚類Pleuronectiformesと同義語で、体は左右不相称、両眼は体の片側にあるすべての種が含まれる。ボウズガレイ亜目とカレイ亜目からなる。ボウズガレイ亜目は同一種でも両眼が体の右側にある個体と左側にある個体がいること、背びれの前鰭条(ぜんきじょう)が棘(とげ)であること、背びれは頭の後部から始まることなどの特徴をもち、ボウズガレイ科のみを含む。カレイ亜目は両眼が種によって左右どちらかの片側にあること、背びれに棘がないこと、背びれが頭の前部から始まることなどの特徴をもち、コケビラメ上科、カレイ上科およびウシノシタ上科の3科が含まれる。コケビラメ上科にはコケビラメ科のみを、カレイ上科にはヒラメ科、ダルマガレイ科、カレイ科およびスコフタルムス科の4科を、そしてウシノシタ上科にはカワラガレイ科、ベロガレイ科、ササウシノシタ科、ウシノシタ科など8科を含む。2006年にカナダの魚類学者ネルソンJoseph S. Nelson(1937―2011)によって改訂された新しい分類体系により、従来カレイ科とされていたカワラガレイ亜科とベロガレイ亜科はそれぞれ科に昇格されて、ウシノシタ上科に移された。

[尼岡邦夫 2015年9月15日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の異体類の言及

【カレイ(鰈)】より

…体色はじみな種が多く,暗褐色または黄褐色であるが,まれに背びれやしりびれに鮮明な斑紋のある種もある。 カレイ科の魚はヒラメ科,ウシノシタ亜目の魚とともに形態が非常に特殊であり,総称して異体類と呼ばれる。体が非常に側扁し,体の片側に両眼がついており,それに伴って頭蓋骨もねじれている。…

※「異体類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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